花粉症の原因
花粉症は花粉に対するアレルギー反応により起こります。花粉が体内に入るとからだがそれを異物と認識し、この異物(抗原)に対する抗体を作ります。
個人差はありますが、数年から数十年かけて花粉をくり返し浴び、抗体の量が増加すると、くしゃみや鼻水、目のかゆみや涙目などの花粉症の症状が出現するようになります。
まだ花粉症になっていない方は、花粉をできるだけ避けることで、将来の発症を遅らせることができると考えられています。

花粉症に注意が必要なタイミング
花粉の飛散する時期は、花粉の種類によって異なります。 スギ花粉については、2 〜 5月頃に飛散します。一日の中でも昼前後と夕方に多く飛散し、晴れて気温の高い日や、空気が乾燥して風の強い日、雨上がりの翌日などは花粉が特に多くなります。
花粉症の予防について
花粉の粘膜への暴露を最小限にすることが重要です。顔にフィットするマスク、メガネの装着は有効です。
また花粉飛散の多い時間帯の外出を避けることや、花粉を室内に持ち込まないように花粉が付きにくく露出の少ない服装を心がけましょう。
帰宅してすぐに手洗い、うがい、洗顔、洗髪で花粉を落とすことも大切です。

花粉症の治療
毎年花粉症の症状が出る方は、本格的な花粉飛散開始の1週間前までにはかかりつけ医を受診してお薬を準備し、使用を開始しましょう。飛散が始まる前や症状がごく軽いときからお薬の使用を開始することで、症状を抑えられることがわかっています。
これまで花粉症と診断されていなくても、くしゃみや鼻水、目のかゆみ等の花粉症と思われる症状が出た方は、早めに受診し花粉症かどうか診断を受けましょう。

花粉症の治療は大きく分けて以下の2つがあります。
- 対症療法:内服薬、点鼻薬、点眼薬それぞれを組み合わせて花粉による症状を抑えるための治療法
- 免疫療法(アレルゲン免疫療法):花粉の成分が含まれた薬剤を定期的に投与し、花粉の成分に身体を徐々に慣らし、花粉が体内に入ってきてもアレルギー反応が発生しないようにするための治療法
対症療法に用いられる薬とその注意点
症状 | 主な薬の種類 | 主な注意点 |
---|---|---|
くしゃみ・鼻水・鼻づまり | 鼻噴霧用ステロイド薬 | 効果発現まで約1-2日かかる(花粉飛散前からの使用推奨) |
くしゃみ・鼻水 | 抗ヒスタミン薬 | 眠気が出ることがある |
鼻づまり | ロイコトリエン受容体拮抗薬 | 吐き気や腹痛、胃部不快感、下痢などの消化器症状が出ることがある |
アレルゲン免疫療法のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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・対症療法で改善しなかった人に効果が出る可能性がある(約8割の患者さんで症状改善) ・治療終了後も効果がある程度持続する | ・他の治療に比べ、投与部位の疼痛やかゆみ、違和感などの副作用が出やすい ・治療継続の推奨期間が3年以上と長期間に及ぶ ・稀にアナフィラキシーが起こる可能性がある ・花粉飛散期には開始できない |
予防行動や治療の開始タイミング

当院では各種対症療法を行っております。対症療法は、花粉の飛散が本格化し始める前の今が開始の良いタイミングです。ご希望の方は医師までご相談ください。